厚生労働大臣
卓越技能者表彰

2001年11月22日表彰

〜熟練の技 輝く現代の名工〜市田ひろみ受彰インタビューより

これまでこの『卓越技能者表彰』に着つけのジャンルがありませんでしたが、今回市田ひろみ会長が日本で初めての受賞という。虎ノ門パストラルにて、きものと関わってきてからの40年間を認められらことは、本当にうれしいと会長は語る。

そもそも、着つけは母から子への伝承技術として伝えられてきたものだが、洋服の文化が主流になった昨今きものを着ること自体が少なくなり、着つけの技術そのものが衰退していくことを感じた会長は戦後『新装大橋』の大橋儀一氏の「きもの教室をしたら」という提案に賛同して日本で初めてのきもの着つけ専門の教室を始めた。この功績は平成5年荒巻禎一京都府知事より「京都府産業功労賞」という形で認められている。

きもの業界の他の部門は認められいたが、「着つけ」として始まったのは戦後からなので「仕事」としては認められておらず寂しさを感じていた。
しかし今回は、自らが積極的に取り組んできた公職の積み重ねが認められたこともあり、喜びもひとしおだという。
また同時に京の着つけと帯結び(講談社)市田ひろみのきものレッスン(主婦の友社)などをはじめとする 着つけ関連の出版物、「市田ひろみ」の着付けビデオ塾(メディアプルポ)ビデオも数は最も多く、日本全国で活用されている。

市田ひろみ会長が伝えてゆきたいと「きつけ」はもっともシンプルで自然な形で、道具を使わないで行うものだ。
世界のロイヤルコスチュームの中においても1000年以上変化のないまま伝承されているのは日本ぐらいなもので、現在の皇室でも通過儀礼の際のきもの、または花嫁衣裳は十二単である。
会長は世界72都市できものショーを行ってきた実績の中でも日本のきもの着つけの技術は海外でも絶賛されているんです、と会長。

近々ウクライナにてきものショーを行う予定になっていたが、今回の同時多発テロの影響で中止となり、とても残念だと語る。